身体表現性障害について

身体表現性障害とは、症状を説明できる器質的な異常所見に乏しく、心理的要因によって身体症状に影響が出ている種々の障害の総称です。

臨床所見

身体化障害は男性よりも女性にはるかに多く、通常成人早期に始まります。主要な病像は多発性で繰り返し起こり、しばしば変化する身体症状であり、適切な検索を行っても、既知の身体疾患や物質の直接的作用として十分に説明できない複数の身体症状が多年にわたって持続します。

心気症の本質的な病像は、1つあるいは少数の重篤で進行性の身体疾患に羅患している可能性への頑固なとらわれです。男性と女性どちらにも生じ、身体的愁訴を示します。

疼痛性障害においては、疼痛が臨床像の中心を占め、生活における機能障害を引き起こし、心理的要因が、疼痛の発症、重症度、悪化、あるいは持続に重要な役割を果たしていると判断されます。

検査所見

いずれの身体表現性障害においても、臨床検査の結果、主観的な愁訴を裏づける所見が欠如している点が特徴的です。

治療

身体表現性障害や疼痛性障害では薬物療法の効果は限定的です。向精神薬のなかで比較的効果が期待できる抗うつ薬に関して、患者様の疼痛性障害の病態機序の一部に神経因性疼痛などの器質的要因が介在する場合には、抗うつ作用よりも早期かつ少量で鎮痛作用が発現する傾向があります。このような患者様に対しては、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)あるいは三環系抗うつ薬の効果が期待できます。薬物依存・せん妄・奇異反応などの有害事象には十分配慮したうえで、不安が強い患者に抗不安薬、睡眠障害がみられる患者様に睡眠導入薬の必要最小限の投与量・期間の処方を検討します。

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