解離性(転換性)障害について

解離性(転換性)障害とは?

従来ヒステリーと呼ばれてきたこの障害はおおよそ、患者の生活史的困難に対してその生物学的な基盤のうえに心因的につくり出された機能的障害一般であるとまとめることができます。その機能的障害のうち、主に精神面に障害が現れるものを解離性障害といいます。これは解離症状ともいい、代表的なものに解離性健忘などがあります。一方、主に身体面に障害が現れるものを転換性障害といいます。これは、転換症状ともいい、代表的なものに矢立失歩などがあります。これらは、なんらかの器質的な疾患を否定して初めて診断の可能性を疑うべきものではありますが、なんらかの器質的疾患に寄り添うようにして生じてくることもあるので注意が必要です。交通外傷後に長びいた健志、足の骨折の治癒後にも続いた歩行困難など、身体疾患の治りが悪いようなときには解離性(転換性)障害が隠れている可能性もあります。

治療法

一般に解離症状・転換症状といってもその程度はさまざまです。この障害それ自体に対する有効な薬物はありません。過去になにか重大な心的トラウマがあったのかどうかについては、すぐには聞き出さないまでも、常に治療者は頭に入れておく必要があります。患者様やご家族には、環境調整の重要性を強調しつつも、良くなるまでには時間がかかること、焦らずに待つのが大事であることなどを、繰り返し伝えることが必要となります。程度の軽いものは自然に寛解することも少なくありませんが、患者様をとりまく周囲との関係によっては治療に難渋することもあります。

薬物は以上の大前提を踏まえて補助的に使用したいものです。この障害に対して著効する薬物がありません。薬物は解離症状や転換症状に焦点を合わせるのではなく、状態像に合わせて使用します。たとえば、①不安や抑うつが目立つときには、抗うつ薬に少量の非定型抗精神病薬などを加えたり、抗不安薬を一定の制限のもとで使用したりします。あるいは、②焦燥や興奮が目立つときには、頓用で非定型抗精神病薬あるいは気分安定薬を使用することがあります。

Copyright(c) 2013 小田井メンタルクリニック All Rights Reserved.