自律神経失調症について

1.自律神経失調症

 自律神経失調症とは心身のバランスを担当する、中枢の1つである視床下部に存在する自律神経中枢が不安定な状態におかれたために身体各器官の自動的な調節がうまくいかず、その結果、いろいろな症状が起きてくる状態です。

 ところで「自律神経失調症」をひき起こす元となる自律神経中枢の働きの乱れは、自律神経中枢より一段上位にあって心身のバランスを担当する神経中枢である大脳辺縁系によってコントロールされているとともに、自律神経中枢と同じ視床下部に存在するホルモン中枢の影響も受けています。

 このため、身の回りの問題で強い精神的なショックをうける、緊張する、不安、恐怖、欲求不満、不眠といった精神的なストレスや、さまざまの身体的なストレスにさらされると、このような神経情報が大脳辺縁系を介して視床下部に存在する自律神経中枢に反映され、その結果、自律神経中枢の働きが乱れると「自律神経失調症」の状態がひき起こされます。また、月経前、月経時、排卵時、出産後に自律神経失調症状が現れてくることもあります。すなわち「自律神経失調症」は、何の原因もなく起きてくるわけではなく「自律神経失調症」がひき起こされる背後には、その人その人でいろいろな問題がかくされているということを、よく知っておく必要があります。

2.自律神経系の構成

 自律神経系は交感神経系と副交感神経系に大別されます。

 交感神経系の刺激された状態は心臓から多量の血液が送り出され(心拍出量、心拍数の増)、呼吸機能は増大し、瞳孔は大きく開き十分な光をとり入れ、エネルギー代謝も活発となるというように、私たちが昼間、いろいろな活動的な仕事をするのに適した体をつくります。外敵が来たときに闘い生き延びるための神経系です。

 副交感神経系の働きは交感神経系と反対に、我々が食後ゆっくりとくつろいで、食物の消化吸収が促進されたり、安静を保ったりするのに適した体内環境をつくるのに役立ちます。

 ところで各臓器は交感神経系と副交感神経系の二重支配をうけており、一方が促進的に働けば他方はこれを抑えるように働いています。

3.身体各部の自律神経の失調症状

  1. 肩こり、頭痛、背中の痛み
  2. 動悸・息苦しさ・手足の痺れ・のぼせ・冷え性
  3. 目眩・立ちくらみ・耳鳴り
  4. 喉がつまる、咳が出やすい。息苦しい
  5. 嘔気、胃もたれ、胃痛、腹部ぼう満感、腹痛、下痢、ガスが出やすい、便がすっきり出ない、などの消化器症状
  6. 多汗、寝汗、体のかゆみなど皮膚の症状
  7. 生殖器の症状
  8. 尿が近い、残尿感など
  9. 原因不明の微熱
  10. 性欲がおきない

4.各臓器は二重支配を受けている

各臓器は二重支配を受けている
交感神経(活動・戦闘)副交感神経(休息・栄養補給)
瞳孔散大縮小
唾液濃い粘稠な唾液分泌消化酵素の多い、うすい唾液の分泌増加
気道(器官・気管支・肺)弛緩して開放収縮
心臓拍動を促進拍数を減少
肝臓グリコーゲンを動員し、エネルギー代謝を活発にする
すい臓 消化酵素の分泌を促進
胃・小腸・大腸運動を減弱胃液の分泌を増加させ、運動を増強する
副腎髄質アドレナリン分泌
二重支配を受けていない臓器
頭部の皮膚、頸、肩、背部、腰部などの骨格筋皮膚血管血管(毛細血管)の収縮
汗腺分泌増加
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